コラムColumn

2021.04.30開業支援

キャッシュフローを読み解く #開業後13か月CFシートを作ろう

今回のコラムでは、ご開業からのキャッシュフローの重要性について書いていきたいと思います。
長い道のりを経て、ようやく開業がすぐそこまでやってきた〜♬ 
まずは、そこで一息(気持ち的に)ついて頂きたいと思います。

人材採用も終わり、建物の引き渡しも終わり、器材の設置も終わり、、(ホッ)
あとは保健所と厚生局への届け出でコンプリート! 

今までの長い道のりに、ちょっとの間浸って欲しいと思います。
この半年程度は、おそらく今までの人生の中で最も忙しい日々を過ごしてきたことと思います。
開業までたどり着く過程を懐かしみ振り返り、一息ついてから再度ギアを上げていきましょう!

「キャッシュフロー」
と聞くと、どんなものを想像しますか?

よく意味のわからない数字が並んだシートが出てきたでしょうか?
それとも、ブロックパズルと呼ばれる”四角形の図”が出てきたでしょうか?

朧げにでもブロックパズルが頭の中に浮かんだ先生は、キャッシュフローに以前から関心がある先生です。
売上(IN)の帯が左にあり、右側には変動費(OUT)/粗利があり、粗利の中から経費が引かれ利益がどれだけ残るか。
このブロックパズルを自院の収支シミュレーションに活用することで、わかりやすく収支構造を把握することが出来ます。

ブロックパズルを知らない。。(汗)

ご安心ください。
ブロックパズルが頭に浮かんでこなかったからといって大きい問題ではありません。
これから先、経営者として歩んでいく中で身につけていけばいいものですし、ブロックパズルは意味さえ理解すれば非常にシンプルで簡単なものです。指標として可視化するには便利なツールと言えますので、早い段階でツールとして読み解けるようにはしておきたいものですね。

では本題に入ります。
Q,13ヶ月キャッシュフローシート(CF)とは?
A,開業前1ヶ月+開業後13ヶ月のCFを管理して備える(金銭面・メンタル・売上目標)ために作成するものです。
※これは弊社独自の観点で必要なものとして行っているものですが、13ヶ月CFSは一般的な言葉ではありませんのでご了承ください。


では、なんの為に作成するのか?

上にも記載しましたが、”スタートからの金銭管理・メンタルの安定化・キャッシュ残からの必要売上算出”
この3つのために作成する必要があると考えています。

1、金銭管理
開業からおおよそ1年間は金銭面が安定しない時期となります。
例えば運転資金を1,000万ストックしてスタートしたとします。
この1,000万がどの時期にいくらぐらいになるのか? なっていればいいのか?
そもそもショートしないのか? 

感覚ではイメージが湧かないと思います。

運転資金が1,000万、
保険診療の入金は翌々月(つまりは開業から2ヶ月は無収入となります)
その間にも当たり前にキャッシュアウトはあります。
変動費・人件費・その他の固定費等、キャッシュインがなくてもアウトは順調にあるわけです。
開業からどれぐらいでキャッシュがどういう風に減少(変化)していくのかをイメージしておく必要があるわけです。

2、メンタル
通帳に1,000万あると、結構入ってるなーと思うのではないでしょうか?
「これだけ運転資金があれば、まあ大丈夫でしょ♬」と考える気持ちもわからなくもないです。
ですが、先ほど触れましたが開業から2ヶ月は無収入。もっと言えばスタッフ雇用を1ヶ月前とすると、3ヶ月は無収入ということになります。

通帳の残高は順調に減少していきますので、これをイメージしておかないと、、、

「ヤバ!!!!! あと150万しかない。。。。。。」(ガーン)
となり、メンタル的に非常に良くないわけです。
前もってシミュレーションしておけば、何ヶ月でここまで残高が減少するから想定内だな!
と気持ちにも余裕ができるわけです。
経営をしていく上で一番良くないのは、お金の悩みということを忘れないでください。

3、必要売上額算出
シミュレーションで大枠のキャッシュのIN/OUTがわかれば、売上の目標額もある程度細かく設定することが出来ます。
勿論、事業計画書では初年度から5年度(または6,7年度)の売上を記載したと思います。
それに準拠して事業成長の目標値(実現値)としていくわけですが、月ごとの最低限の必要売上額を算出することでキャッシュの残りを可視化し、マイナスにならないように事業運営していくために非常に意味のあるものとなります。

今までの開業支援の経験上、開業から半年程度はキャッシュが目減りしていき、半年から3ヶ月程度で横ばい、その後緩やかにキャッシュが増加傾向になっていく流れが多いかなと感じています。
ですが、これはあくまでイメージとしてですので、必ずこうなるとは限らないことを頭に入れておいて欲しいと思います。融資額・リース費用・賃借料・スタッフ雇用人数・福利厚生等、クリニックごとに違いがあります。

運転資金の枠内で完結出来るように、事業計画通り進められるようにが大前提となりますが、この13ヶ月CFSで可視化を図り、数値を見ながら1年間の事業運営を行うことで、精神衛生上も良い状態で前に進んでもらえればと思います。

開業したらクリニックを潰すわけにはいきません。
ご自身の感覚値ではなく、根拠値から1年間を見て着実に進んで行きましょう!



「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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