コラムColumn

2022.06.30コンサルティング

月回数(治療患者)とレセ枚のバランス  #その母数 適正ですか?

今回は、「通院月回数とレセプト枚数の関係性」について書いていきたいと思います。
 


いきなり質問です。

 

そもそも、月回数!ってなんでしょうか?


 

A、患者さまが医院に通える回数が月に何回か
となります。


 

では、レセ枚数は?


 

A,現在通ってくれている患者さまの母数(月母数)となります。

これは言うまでもない話ですが。。


 

今回なぜ、月回数とレセプト枚数の関係性を取り上げたかと申しますと、

患者さま定着の観点で、非常に重要な部分となる数値群だからです。

良く先生方の会話に出てくるのは、”レセ枚”と “点数”じゃないかと思います。


 

経営の観点から、話の中心が上記の項目となるのは理解できる部分ではあります。

ですが、患者満足度の原点ともなり得る月回数についてはどうでしょうか?


 

先生方の会話の中で、この単語が出ることはほぼほぼ皆無じゃないかなと思います。

仮に聞かれても、「月回数…. ???」となる先生方もいらっしゃるのではないでしょうか?


 

今回、月回数をお題としていますが、

これは、治療患者限定の月回数が大事ですというお話になります。

例で見てみましょう。

1、レセ枚 500枚 総来院 650人

メンテ枠患者 250人(3ヶ月に1回)来院

治療枠患者 250人


 

計算式)

レセ枚 500-メンテ枠患者数 250=治療患者レセ枚(X)

総来院数650人-メンテ枠患者数 250=治療患者来院総回数(Y)


 

(X)250 (Y)400

Y÷X=1.6回 


 

2、レセ枚 500枚 総来院 800人

メンテ枠患者 250人(3ヶ月に1回)来院

治療枠患者 250人


 

計算式)

レセ枚 500-メンテ枠患者数 250=治療患者レセ枚(X)

総来院数800人-メンテ枠患者数 250=治療患者来院総回数(Y)


 

(X)250 (Y)550

Y÷X=2.2回 
 

3、レセ枚 500枚 総来院 650人

メンテ枠患者 100人(3ヶ月に1回)来院

治療枠患者 400人


 

計算式)

レセ枚 500-メンテ枠患者数 100=治療患者レセ枚(X)

総来院数650人-メンテ枠患者数 100=治療患者来院総回数(Y)


 

(X)400 (Y)550

Y÷X=1.37回
 

1は、治療患者が月に2回以下の通院頻度

2は、治療患者が月に2回以上の通院頻度

3は、治療患者が月に1回+αの通院頻度

となります。


 

目指すは、2のパターンとなります。

月に2回以上通えることで、他医院に浮気をしたり治療中断となるリスクは減少します。


 

上記は、治療患者とメンテ患者を分けて数値をだしています。

これを患者全体で考えてしまうと、、、 以下のようになります。


 

1・3のケース

650÷500=1.3回


 

2、のケース

800÷500=1.6回
 

となります。


 

全てのパターンで月回数が低い数値となります。

これを鵜呑みにすると... 「月回数が低いから改善しなきゃ!!」 となってしまいます。

メンテ患者は月1回来院ですので、そこの満足度は充足しています。

ポイントは、治療患者がどれぐらいのスパンで通えているかということになるわけです。


 

そのためには、
​​​​​​「総来院数・レセ枚・キュアケアの区分け」をしっかり分析しなければなりません。

例えば、上記2のパターンからは以下のような推測が出来ます。


 

・メンテ移行率は高い

レセの半分のシェアを持っているため

※メンテ定着率は、このデータからは読み取れません。


 

・治療患者の受け入れはまだ余力あり

月回数2.2をもっているため

※月回数の0.1は、簡単に上げれる数値ではありません。


 

・メンテがまだ増加するキャパがある

上記の月回数より、メンテ人数が増加しても治療患者へのデメリットは出ない。

※マンパワーやユニット台数のキャパ等あるので、そこは無視して推測しています。


 

同様に1と3のパターンを推測してみてください。

色々と医院の問題点と現在地が見えてくるはずです。


 

では、イメージしてみてください。
メンテが増加していて月回数(治療患者)が少ない医院の状態は?


 

明らかにレせ枚(母数)がキャパオーバーの状態です。

・チェアを増設する

・マンパワーを増やす

・仕組み(アポ枠の精査・カウンセリング室の応用等)を変える


 

等の取り組みが必要になります。

ただ、母数に対してメンテへ流す力は強いので、
条件さえ整えていければ数値の安定化は出来る医院と読み取ることが出来るかと思います。


レセプト枚数の拡大は、医院の安定経営において欠かせない要素です。
ですが、キャパオーバーの母数を抱えて診療を継続しているとデメリットも生まれます。


それが、ドロップ患者の増加です。


レせ枚に対して、バランスの取れた総来院数か!
そこをしっかり分析して診療を行うことで適正な状態を保つことができます。
肝は、治療患者の月回数数値が何回か! 


弊社では、月回数(治療患者)のボーダー数値を1.8と定めて、お客様と共有しております。
1.6を切ったらレッドゾーンです。
この場合は、医院の状況に適した形で改善を行う必要があります。


レセプトからは見えない数値である”月回数”。
数値を集めて分解して、自院の状態を把握してみることをお勧めします。
そこから何か見えてくるものがあるかもしれません。


月回数についてご興味がある方は、是非こちらもご覧ください。
※2021.6.30のコラムとなります。


 

「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。

歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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