コラムColumn

2021.06.30コンサルティング

月回数管理でドロップを防ぐ #治療患者の回数を知ろう

今回は、項目としては地味な部類に入る「月回数」について書きたいと思います。

・レセプト枚数(母数の確認)
・総来院数(生産性の確認)
・キャンセル率(ファン化の確認)


上記のようなよく耳にする項目から見るとかなり地味〜な項目にはなるのですが、
無視できない重要な項目となります。

【月回数】とはなんでしょうか?

そうです!
患者さんが月に何回通院できるかを表す指標ですね♩

では、何回通院できればいいのでしょうか?
一般的には月2回以上通院できれば良しとされています。
要は2週間に1回は予約が入るという状態です。

これが2回を切り、1.5回となると...
月に1.5回(1回〜2回)しか通院できない歯科医院となります。

逆に2回を大幅に上回り、4回となると...
週に1回通院できる歯科医院となります。

※現実的には4.0回は考えられません。
・レセ枚数が少ない
・メンテ患者が少ない
・両方

かという状態です。
このパターンは、衰退期のクリニックがある程度該当してくるケースとなります。

患者さんのスパンストレスを考えると、やはり2.0回はキープするのが望ましい形になるかと思います。

では、どうやって数値を出すのか?

月回数=総来院数/レセ枚
これで月回数が算出することが出来ます。
総来院数 1,000人 レセ枚 700枚 = 1.43回


非常に簡単ですね♩

ですがですが、ちょっと待ってください!
これはキュアの患者さんもケアの患者さんも含まれていますよね?
ケアの患者さんは月1回、キュアの患者さんは治療内容により変動。
そうなると、上記の計算式では総合的な数値としては出ますが、診断はできない意味のない数値となります。

ここが重要なポイントです。

総来院/レセ枚=月回数
間違いではないですが、これを指標にしても全く意味はなさないんです。

国民のデンタルIQが向上していることで、定期検診/メインテナンスで通院される方が増加傾向にあります。
一昔二昔前は、ほぼ治療のために通院するのが当たり前で、意識の高い方のみがメインテナンスで通っていたので、月回数に与える数値的変化は微々たるものでした。

今は意識向上により多くの方がメインテナンスで歯科医院に通う流れとなっており、月回数に与える数値的変化は大きくなっています。

先ほどの例【総来院数 1,000人 レセ枚 700枚】 で分解して考察しましょう!

総来院数 1,000人 レセ枚 700枚 = 1.43回
※総合的な数値は上記でした。

例1)メンテ患者 200人(月1回)のケース
(1,000-200)/(700-200)=1.60回


例2)メンテ患者 500人(月1回)のケース
​​​​​​(1,000-500)/(700-500)=2.50回

要は、治療の患者さんが月に何回通院できるか!

これがポイントとなります。

単純に総来院数をレセ枚で除して、
「1.43回か〜!!! これだと患者さんの治療スパンが長すぎて離脱する。。改善するぞ〜〜〜!!!」
と、なっていませんか?

改善するとして、どこをどのように改善すればいいのでしょうか?
ユニットを増設してマンパワーを補充?ですかね?
細かい分析をせずに取り組もうとすれば、おそらく上記のようなハードとソフトの投資の話になるでしょう。

または、治療の枠を短縮?
キュアもケアも短縮することで回転率を上げるという方向に走るかもしれませんね。
ですが、これを意味なく実施すると.....

キュア:無理なアポ枠短縮で時間内に終わらず、患者さんの待ち時間が増加
ケア:メンテに来ている充実感が得られず、ドロップ予備軍が増加

そんな状態にもなり兼ねないですよね。

では、キュアとケアを分けてしっかり診断できればどうでしょうか?

例1)1.60回
「メンテ患者を増やす戦略を組むことで月回数をあげよう!」
が成り立ちます。

メンテ患者200を300にすると仮定すると
(1,000-300)/(700-300)=1.75回
0.15回も改善することになります。

その為に、チェアが足りなければ増設。人が足りなければ補充。
根拠を基にした取り組みが可能になりますね。
※チェアが足りないかはユニット回転率を見て判断材料としていきます。


例2)2.50回
「治療の患者さんをもっととってもいいな!新患増加の取り組みをしよう!」
が成り立ちます。

​​​​​​(1,000-500)/(700-500)=2.50回
※新患が50人増加したと仮定
​​​​​(1,050-500)/(​750-500)=2.20回​

治療枠が50人増加しても、月回数は2回をキープできます。
これを実施するために組む戦略を考えていけばいいわけです。


このように、分解して考えると内容は大きく変わってきます。
※弊社お客様の最近のデータでは、キュア患者の月回数は1.80~2.20回がボリュームゾーンとなっています。
1.60回を切ると離脱率が上昇しますので、ボーダーは1.60回ということで診断を行います。


〜歯科医院経営を行って行く上で大事なこと〜

医院の状態を把握して意味のある戦略を組むこと。
数値一つ一つに意味があり、数値の見方によりその意味も変わってきます。

今回は月回数について書かせて頂きました。
意味のある部分まで分解して数値を見ることで、医院の現在の姿が見えてきます。


「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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