コラムColumn

2021.11.30コンサルティング

売上の落ちる月をどう見る #2月5月8月の考え方

今回は、売上の落ちる月の考え方についてお話したいと思います。

Q1,売上の落ちる月は何月ですか?

A1,一般的には、2月・5月・8月とお答えになるのではないでしょうか?
一度、先生の試算表等をチェックして自院の折線具合を見てみてください。

落ちる要因は、以下のことが考えられます。
2月-28日までしかない
5月-GWがある
8月-夏季休暇がある


となりますね。
どれも診療実日数が減少することが、売上が落ちる要因となっています。

Q2,売上の落ちる月は何月ですか?

A2,地方の歯科医院ですと、4月・5月・10月・11月とお答えになるケースもあるかと思います。
これは、農繁期による患者減少が要因としてあります。
特に国保の患者さま(第一次産業に従事する患者さま)が多い歯科医院で起こりうる現象です。

上記の4ヶ月に2月・5月・8月を含めると、1年の半分以上が売上が落ちる月となります。。
こうなると、言い方としては、他の5ヶ月が売上が上がる月としたほうが良さそうですね(汗)
こちらは診療実日数ではなく、1日の来院数が減少することが売上減少の要因となります。

歯科医院の売上は、
患者数×単価 です。
ここでいう患者数は、レセ枚数ではなく総来院数となります。
診療日数が少ないと総来院数も比例して減少する。
当然、売上は下がるわけです。

ケース(仮定)
月保険売上 500,000点の医院があるとします。(※自費は除いて考えます)
月の診療実日数を20日とすると、1日あたりの点数は25,000点となります。
稼働日数が少ない月の診療実日数を18日とすると、
マイナス2日=50,000点の減少となります。

A1, 50,000点×4ヶ月=200,000点(2,000,000円)
A2, 50,000点×7ヶ月=350,000点(3,500,000円)

上記の金額分が落ちるという計算になります。
結構な金額ですね。

そんな当たり前のことを書かれても。。と言わないでくださいね(笑)
問題は、この落ちた月が医院としてどのレベルにあるかというところです。

1、落ちる月以外の月が、ギリギリ損益分岐か若干のプラス状態にある医院の場合
死活問題となります。

2、落ちる月以外の月が、余裕のある利益を生み出している場合
そんなに問題視する必要はありません。

3、落ちた月でも十分に利益を確保できている場合
全く問題はありません。

自分の医院はどうなのか?
自院の収支状態を把握していると、そのあたりは簡単に計算でき対策も取れます。
しかし、多くの先生が大雑把にしか状態を把握していないのが現状かと思います。
売上や支出の大枠は勿論把握しているかと思いますが、損益分岐を把握している先生は多くありません。

先程のケースですが、
落ちる月が50,000点のマイナスとなっています。
金額にして、500,000円のマイナスです。

120,000,000円の融資を受けて開業した場合
※ 利率1.2% 返済回数 240回 据置期間 12ヶ月として
6,7年目の元金返済額が、だいたい500,000円/月となります。
まだ返済中の場合は、この分が丸々無くなると言えます。
こうやって考えると、やはり50,000点のダウンは大きいですよね。。

財務諸表上の収支には元金返済額は含まれないので、
数値上は黒字でも、利益から元金返済をする必要性があることでキャッシュの動きは変わってきます。
経営を見るときには、この辺りもしっかりと頭に入れてINとOUTの状態を把握することが重要です。

対策>>>
医院の状態により対策は変わってきますが、以下のような対策が考えられます。

Q1、落ちる月の稼働日数を増やす
→現実的には難しいですが、可能であれば是非行いたい対策

Q1、ユニットの増設・マンパワーの増員を図る
箱と資金的状況によりますが、これを行えれば、総来院数を伸ばすことが可能

Q2、農繁期に影響を受ける患者さんの啓蒙を行う
→自身の口腔内に興味をしっかり持ってもらうことで来院の重要性を促す
※農繁期だから仕方ないという考え方はNG 医院として啓蒙が足りないと認識することも重要

Q2、社保患者の増患対策を行う
→影響を受けない種別(社保)や子どもの患者を増やす
※リブランディングが必要な場合もあるが、月売上の落差が激しい場合は一考もあり

上記以外にも、対策は様々あります。
ですが結論としては、

総来院数を如何にして増やすか!

となります。

「落ちる月でも問題ない♩」 医院なのか?
「落ちる月はとても苦しい。。」 医院なのか?

自院の立ち位置により落ちる月に対しての対策を考えてみるのもありだと思います。
基本は総来院数の確保となりますが、以下のような考え方もありです。

1、単価UP(自費へのシフト)
2、固定経費の見直し(人件費は減らさないのが鉄則)
3、年間診療スケジュールの策定(月の収支に基づいた診療日数を確保)


年間を通して山谷の少ない状態を構築できると、医院経営もしやすくなります。
完全には難しいことですが、少しでも落差を少なくするための対策を組んで取り組むことをお勧めします。


「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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