コラムColumn

2023.04.30コンサルティング

歯科衛生士の求人 #選ばれる努力をしてますか?

今回は歯科衛生士の雇用について書いていきたいと思います。

Q,歯科衛生士の雇用に悩んでいませんか?

皆さんのクリニックでは如何でしょうか?
募集をかければ、ある程度の人数から応募が来るという状態になってますでしょうか?

一番望ましい形は、
「募集をかけていなくても”随時”歯科衛生士側から求人の問い合わせがある」
ことだと思います。

しかし現状はどうか?
「募集をかけても待てど暮らせど応募がない...」
これが多くの医院様が抱える問題点ではないかと思います。

何故か?

理由は何点か考えられます。
1、そもそも歯科衛生士の数が不足している
2、歯科医院サイドの歯科衛生士の雇用の必要性が増している
3、歯科衛生士サイドで勤務したい歯科医院の各条件が上がっている


他にも色々と考えられる理由はありますが、大きく分けると上記の三点が考えられるかと思います。
歯科衛生士を募集してもマッチングして応募が来るためには、大きなハードルがある。
また、応募が仮にあり雇用が確定したとしても、長く続かずにすぐに歯科衛生士の求人を出さなければならない状態になる医院も多く見られます。

一つづつ考えてみたいと思います。

1、そもそも歯科衛生士の数が不足している
これが全体に言える一番大きな問題点です。
「もっと衛生士の数があれば、うちの医院にも何人かは応募があるはずなのに...」
そう思った先生、ちょっと待ってください!
もっと数がいたとしても、選ばれるかはまた別問題ですので最後まで読み進めて頂ければ幸いです。

データから考察する
日本歯科衛生士会の公式HPから数値を見てみたいと思います。
2020年の就業歯科衛生士の数は、142,760人 
※診療所に就業している割合:90.9% 129,768人
全国の歯科医院数 約68,000件(2020年現在)
1医院あたり歯科衛生士数:1.90人

単純に試算すると、1医院に在籍している歯科衛生士数は1.90人となります。
勿論、医院規模やスタイル等により、10人,20人と雇用しているところもあるわけなので、1医院での数はこの数値から大幅に差っ引いて考える必要があります。

また、地域性も見逃せません。
大都市と呼ばれる地域に雇用が偏るのはどの業界でもある程度同じ状況です。
歯科衛生士も例外ではなく、地方の歯科衛生士学校を卒業し大都市に勤務する数もかなりの数に上ります。

様々な要素から総合して考えると、
“歯科衛生士の数が少ない”のは間違いない現実と言えます。

2、歯科医院サイドの歯科衛生士の雇用の必要性が増している
では、昨今なぜ歯科衛生士不足が叫ばれているのか?
10数年前までは、ここまで歯科衛生士が足りない...という状態ではなかったように思います。

これは簡単ですね!
“予防”という概念が一般の方に浸透し、歯科衛生士の雇用なくして歯科事業を行うのが難しくなった。という事だと思います。保険点数に関してもP関連の点数や施設基準の取得に歯科衛生士の在籍が必要になったりと事業を推し進めるにあたり、外因的な部分での変化がありました。

ひと昔前の削って詰める治療の場合は、歯科助手が重宝されました。
本来はNGゾーンである部分でも歯科助手が関わって治療を行うケースも多く見られたと思います。
時代は変わり、NGゾーンは完全にNGとして認識し、それぞれの職種に許される部分で日々診療するスタイルに変わってきていることも、歯科衛生士を必要とする大きな要因の一つと言えます。

3、歯科衛生士サイドで勤務したい歯科医院の各条件が上がっている
これに関しては、様々な考え方/理由があると思います。
歯科衛生士の資格を取得して、自分が理想とする歯科医院像を考えた時に、何を優先するか?

◯口腔ケア・口腔管理をしっかり行なっている医院で働きたい
◯大規模な医療法人で福利厚生がしっかりしている医院で働きたい
◯スキルアップ云々ではなく、診療時間と休日の多さを見て就職を決めたい
◯とにかく都会で暮らしてみたい!


上記以外にも様々な考え方があり、それぞれが応募する歯科医院を選定しています。

歯科衛生士って?
歯科衛生士法の第一条は以下となります。

第一条 
この法律は、歯科衛生士の資格を定め、もつて歯科疾患の予防及び口腔衛生
を図ることを目的とする。

今更記載する必要は本来はありませんが、雇用する側として歯科衛生士がどういった国家資格であるかを再認識する必要があるように思います。ただ単にスタッフの1人として、ただ単に点数算定のために必要だから、etc...  そういう考え方も持った医院では、対応にそういう考え方の部分が出ているはずなので、そもそも歯科衛生士からの応募はない。と考えても良いのではないでしょうか。

歯科衛生士は、口腔衛生の独占業務を持った資格だということをまずしっかりと認識することが重要ではないかと思います。根本の意味意義を落とし込んだ上で、医院としてどういった仕事をしてもらいたくて、それに見合った報酬を考えて、モチベーションが継続できる歯科医院を作り上げる意識を継続すること。

それが、歯科衛生士のコミュニティの中で共有事項として派生し、人が集まる歯科医院と待てど暮らせど...な歯科医院とに完全に振り分けられるものだと認識しましょう。

歯科医療を行うには、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・受付という他職種が協力し合うことが大前提としてあります。
※保育士・管理栄養士・OT・PT・ST等の資格を持った方もこれから歯科の領域で活躍する時代になるでしょう。

役割を考え、その方の承認欲求をしっかり満たしてあげること。
その方の描く未来図を共有して後押ししてあげること。
医院として、歯科衛生士の活躍を喜び環境を整えること。


「募集をかけていなくても”随時”歯科衛生士側から求人の問い合わせがある」
こういった医院を目指し実現することで、永続的にスタッフ予備軍を持つことができるわけですね。

歯科衛生士が1人かけたからメンテの列を1列封鎖しなきゃ... 
そんな状態で診療を行うことのないように、歯科衛生士に選ばれるクリニックになるためにはどうするべきか!

多角的に考え、歯科衛生士が向こうからやってくる。
そんな医院を構築して欲しいと思います。

なかなか歯科衛生士の応募が来ない...
そんな状況にある歯科医院様は、
今一度、自院の在り方を考えてみては如何でしょうか?


「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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