コラムColumn

2023.07.31コンサルティング

歯科衛生士の適正売上額は? #スタッフ生産性の考え方

今日は歯科衛生士の生産性について書いていきたいと思います。
皆さんのクリニックにスタッフは何人いらっしゃいますか?

歯科医院で働くスタッフの職種は、歯科衛生士・受付・歯科技工士・歯科助手・クリーンスタッフあたりがメインとなります。最近ですと、保育士や管理栄養士等を雇用している医院様もあるかと思います。

では、売上を上げる意味で直接関わる職種はどれでしょうか?

A,歯科衛生士 

医院の売上を考えるときに、誰が点数をあげているか?
1、歯科医師の治療点数
2、歯科衛生士による口腔ケア

※医院のフェーズによってはバランスが逆のケースももちろんありますが、基本的な考え方としてご了承ください。

受付
アポイント調整等も行なっている場合は、その方の能力により売上に直結するが、基本的には診療側のスタッフではないので、直接生産性を持ったスタッフとはならない

歯科助手
歯科医師の補助を主な仕事としているため、経験や能力により大きく生産性に関与するが、あくまで補助のため、売上を考えたときに直接生産性を持ったスタッフとはならない

歯科技工士
今はほとんどの医院で外注しているケースが多く見られるが、院内にラボを置いている医院もある。しかし、補綴物の製作が主な仕事となるため、直接生産性を持ったスタッフとはならない

クリーンスタッフ
滅菌消毒をはじめ、ユニット周りの清掃や器具の後片付け、準備等まで行うことで大きな力となるが、治療に直接関わってはいないので、直接生産性を持ったスタッフとはならない。

※直接生産性
ここでは保険点数の算定に直接関わるか関わらないかとしてお話しています。

歯科医院は様々な職種の集合体と言えます。
売上直結組=歯科医師・歯科衛生士
売上補助組=受付・歯科助手・歯科技工士・クリーンスタッフ

様々な職種の集合体が組織を作り、そこで役割を全うして業績を上げる。
チーム医療という言葉がありますが、歯科医院はまさにチームとして機能してなんぼの業種といえます。

では、本題である歯科衛生の適正売上額はいくらが正解か

考え方としては大きく以下が挙げられると思っています。
1、メンテの人数を掛け算して弾き出す
2、スタッフの総人数から弾き出す
3、先生の治療処理能力から弾き出す


※医院の考え方や仕組み、保険診療の割合や開業年数により一概に言えないのですが、ここではメンテ患者がある程度担保されてきた開業5年以上の医院のイメージでお話します。

1、メンテの人数を掛け算して弾き出す
例1)メンテ枠を60分で設定 1日の稼働時間は480分(8時間)
480分÷60分=8人/日
8×800点=6,400点 
6,400点×20日=128,000点 
月 1,280,000円の売上/月

例2)メンテ枠を45分で設定 1日の稼働時間は480分(8時間)
480分÷45分=10.6人/日
10.6×800点=8,480点 
8,480点×20日=169,600点 
月 1,696,000円の売上/月
端数の0.6を切り捨てると 1,600,000円

※か強診の施設基準の有無や点数算定の仕方により1回点数に差異が出ますが、ここでは800点として考えた場合の2例を挙げています。

単純に掛け算で、歯科衛生士が弾き出せる売上を考えると大枠上記の形となります。

2、スタッフの総人数から弾き出す
これは上記の考え方をスタッフ総人数と関連づけて考えるケースとなります。
同時に歯科医師の治療処理能力も大きく関わってきます。

例 歯科衛生士 2名 /歯科助手 2名 /受付 1名 計5人のケース
歯科医師の治療売上は300,000点/月
仮に歯科衛生士が月1,200,000円の売上を上げると、
1,200,000*2+3,000,000=5,400,000円/月商となります。

5,400,000円÷5(スタッフ数)=108万

歯科衛生士が月1,600,000円の売上を上げると、
1,600,000*2+3,000,000=6,200,000円/月商となります

6,200,000円÷5(スタッフ数)=124万

点数を叩き出しているのは歯科衛生士ですが、経営上は医院のスタッフ数を加味して考える必要があります。 理想とする生産額は医院により変わってくるのですが、大体1DHで1,200,000円/月 の売上を上げると、全体スタッフ生産性として 1,000,000円を超えてくるとというところです。

医院のスタッフ数により、目標とする歯科衛生士の生産性を検討する。
MAXで生産している場合で、それでも収支的に問題がある場合は、歯科医師生産性も同時に引き上げる必要があります。

3、歯科医師の治療処理能力から弾き出す
これは上の2と紐づく形になりますが、歯科医師の生産性は医院により大きく変わります。
診査・診断・治療計画の作り方、2列回しの効率性等様々な要素があります。
一番大きく関わるのが治療スピードではないかなと思います。
丁寧な治療とスピードは比例するものでなく、個人差が非常に大きいものです。
単純に速度が遅いということであれば、歯科医師自体の研鑽が必要ということになります。

歯科医師の治療処理能力が低ければ、歯科衛生士にかかる生産負荷は拡大する
歯科医師の治療処理能力が高ければ、歯科衛生士にかかる生産負荷は減少する


これはご自身が一番わかっていることだと思いますので、院長自体がご自身のレベルを理解した上で、歯科衛生士の生産性を考える必要があります。

歯科衛生士の生産性が高いにも関わらず、目標とする売上に達していない場合、歯科医師の生産性に問題があるケースも多く見られますので、まずは自院の売上のバランスをしっかりと分析することで問題点を可視化する必要性があります。

ここまで書いてきましたが、歯科衛生士にかかる負荷は医院の総合力によると言えます。
ただ勘違いして欲しくないのは、歯科衛生士が売上を作るから他のサポートスタッフは地位が低い!では無いということです。

繰り返し言いますが、色んな職種の集合体が歯科医院です。
それぞれ大事な役割があり、間接的に売上の貢献しています。
目に見える貢献は歯科衛生士となるのは点数があるからで、点数で評価できない他スタッフを無下に扱うのは絶対にNGです。 

給与に関しては、歯科衛生士が上の位置にあるのはある程度納得の行くものだと思います。
ですが、評価の観点で歯科衛生士とそれ以外のスタッフという分け方をしてしまうと、歯科衛生士以外のスタッフのやる気がそがれ、大きく生産性を落とすことになります。

歯科医院は様々な職種の集合体で、
全ての職種の連動で医院が回っている。


ここは絶対に履き違えないようにして欲しいと思います。

まとめます。
歯科衛生士の適正売上額は、金額で言えば1,200,000円を目指す
一言で言えば、それがシンプルな考え方かなと思います。
理由としては、チェア1台を与えてMAXで仕事をすればそれぐらいを目指せるからです。

ただ、それだけではなく他の要素も多分に関わってくるので、そこをまずは分析する。
それにより自院の歯科衛生士に求める保険点数を割り出す。
同時に評価も点数にするだけではなく、他スタッフとの連動や教育、ファン化の能力等加味して考えることが重要なことになります。

あとは、歯科衛生士にうまく繋げられるように歯科医師の治療のフェーズを大事にする。

何故か?

治療である程度満足しないと、メンテに流れる確率が劇的に低くなるからです。
メンテが少ないから衛生士もっと頑張れ〜!
では無いのです。

先生の治療で満足度を感じれば、まずはメンテのステージに入るわけです。
そのあとは歯科衛生士頑張れ〜! でいいですよね?

スタッフ生産性
木(歯科衛生士)を見て森(医院全体)を見ずではなく、
医院全体(森)を見て自院の適正値を検討してみてはいかがでしょうか?



「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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