コラムColumn

2025.06.29コンサルティング

患者ストックの肝 #患者さんへの教育と育成を意識していますか?

今回は患者さんに対しての教育・育成について書いていきたいと思います。

・新患はある程度に来院しているのに、レセ枚が増加していかない...
・開業してからある程度の年数が経つが、メンテ患者が増えていない...
・来院数はそこそこあるが、自費が増加しない...

上記の内容が1つでも当てはまる医院は、今回のコラムを最後までお読み頂きたく思います。

歯科医院の収益構造
まずは、歯科医院の売上が、どのような要素の組み合わせになっているかおさらいします。

保険診療+自由診療 
一般的には、保険-9割、自費-1割という形の医院が多いのではないかと思います。
医院の色や考え方があるので、この割合に正解は存在しません。ただ、教育・育成が出来ていれば、比率は保険-7割・自費-3割程度にはなってくるものです。
自由診療の割合が10%に満たない医院は、医院の姿勢を再確認してみる必要があるかもしれません。

収益構造は、保険診療+自由診療。至極当たり前のこととなるのですが、では保険診療の内容をどのように見るべきか考察してみましょう。

1、新患数とレセ母数のバランス
2、新患数とメンテ流入数のバランス
3、治療終了患者数とメンテ流入数のバランス
4、メンテ流入数とメンテ定着数のバランス
5、新患数とメンテ定着数のバランス

ざっと上げてみましたが、このそれぞれの意味がお分かりになりますか?

保険診療の骨組み
では、保険診療はどのような流れで成り立っているのか?ちょっと考えてみましょう。

新患来院→診査診断→治療計画立案→治療開始→治療継続→治療終了→メンテ流入→メンテ定着→ストック患者となる

上記の流れを患者さんそれぞれに実行出来ていれば、母数はどんどん拡大していくことになります。引っ越しや転勤、ご高齢になり通院不可になる患者さん等も一定数はいらっしゃるので、100%達成は不可能ですが、80~90%はストック患者となるはずです。では何故、冒頭の1〜3のような状況が生まれるのか?

答えは明確です。
「患者さんに対する教育と育成が出来ていないから」です。

歯科医療を提供する側の皆さんからすれば、治療→メンテという流れは一般的で当たり前のことだと思います。しかし、患者さん側からすれば、予防の意識は上がってきているものの、定期的にメンテに通う意味意義をしっかりと理解されている方はまだまだ少ないのが現状ではないでしょうか? 

「治療が終わったので、次回からクリーニングに入りますね〜」
「3か月に1回クリーニングしたほうが良いので、歯ブラシ持ってきてくださいね〜」
「ご家庭でも意識して歯ブラシしてくださいね〜」

このように“テンプレ”のような声かけを行なっている医院もまだ多くあるのではないでしょうか?

これでは、残念ながら患者ストックは出来ません。
理由は、患者さんの腹に落ちていないからです。虫歯になって来院した患者さん。口腔内の状態がボロボロまで放置していた患者さん。意識が高くメンテを受けに来院した患者さん。年齢・職業・ライフスタイル...  一人ひとり、歯科医院に来院される主訴や動機も違います。

それをテンプレのように声かけしていたら、それは腹に落ちはしませんね。

何故、メンテが必要なのか?
何故、自費の補綴を進めるのか?
何故、継続的にチェックが必要なのか?

患者さん一人ひとりに合った言い方があるものです。
教育・育成をテーマとして書いていますが、患者母数がどんどん増加していく医院は、この教育と育成が非常に上手いです。
ビジネス的な上手いではなく、患者さんを思った医療提供が出来ており、歯科医師・スタッフが自然な形で教育・育成が出来ている。
患者さんも腹に落ち、信頼して定期的にメンテに通うことになり、母数をどんどん拡大する流れを構築しています。

患者さんをストックする意識
歯科医院を経営していく中で重要なのは、「患者ストック」です。
要は、如何にしてドロップさせずに通い続けてもらうかが鍵なわけです。ドロップが多いか少ないか、全く意識していない医院が売上が上がらずに苦しんでいるのではないでしょうか?もっと言えば、どこでドロップしているか意識することもなく、新患数だけを意識して一喜一憂している医院もあるのではないかと思います。

ドロップするということは、患者さん側の満足度が低いということに他なりません。

なぜ初診時のような状況になったのか?
今後そういったことにならないためにはどうしたら良いのか?
もっと口腔環境を良くするためにはどういう方法があるのか?

教育と育成を行うことで患者さんがファン化し、ドロップなくストック化することが出来ます。

教育と育成を意識した診療提供ができれば、数年先までの収益をある程度の精度で予測することも可能になります。
簡単にいうと、新患数とメンテ定着の割合を把握するだけで、毎年の積み上がり人数を推測することが出来るからです。これは、教育と育成が出来ている医院にしか出来ないことですので、そこまでのレベルに至っていない医院は、その前に体制を整える必要があります。

ドロップする場所は決まっています。
・2回目来院時(初診時で不満がありドロップ)
・治療途中(治療内容/治療スパン/対応等の不満でドロップ)
・メンテ流入時(メンテの必要性を感じずドロップ)
・メンテ2.3回目(毎回同じようなことばかりの不満でドロップ)

少なく見ても、分岐点は4つはあるのではないでしょうか?どこでドロップが起こっているのかをしっかりと把握しなければなりません。また、どの段階でも教育と育成はできますし、それが出来ないと次のステージへは進んでくれません。

患者数×単価=保険診療

歯科医院の安定経営の肝は、患者数です。以下にストックしていけるかが生命線になります。
ストックするためには、医院努力は欠かせません。チームとして教育と育成を考えていくことで母数拡大につながり、安定経営の礎が出来上がります。
レセ枚が停滞している医院は、今一度自院の状態を振り返り、真剣にテコ入れを考えてみては如何でしょうか?


 

「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。

歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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