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2025.07.31コンサルティング

キャンセル率が優秀なのに母数が増えない #考えられる原因はなに?

今回は、キャンセル率と母数の関係性について書いていきたいと思います。
一般的には、キャンセル率は5%を切ると優秀と言われています。アポを100人取って、キャンセルが5人以下であれば優秀ということになります。※この5%という指標は経営的な観点での根拠があるものではないのですが、目安数値としてはと妥当なところかと思います。

本来の考え方としては、急患とのバランスによるものなので、5%だから絶対に優秀というわけでもありませんが、ここでは一般的な考え方で進めていきたいと思います。

まず、キャンセルが少ない医院さんの特徴を挙げてみます。
1、信頼関係が構築されている
2、次回来院時の治療内容の意味意義を患者に伝えられている
3、キャンセルをした際に、次のアポが入りづらいことを伝えられている
4、キャンセルポリシーの強化により率を下げる策を取っている

ざっと挙げると、上記のような内容になるのではないでしょうか。
ほぼ全ての医院が、キャンセル率に対しては様々な施策を打ち、日々の診療がスムーズに進むように努力されていると思います。

キャンセルは貴重な枠を潰すことになりますし、事前準備も無駄にしてしまうので出来れば0が望ましいですよね。ただ現実的には0%というのは非常に難しいため、どんな施策を打っても2~3%がMAX値となるのではないでしょうか。

では次に母数について考えてみたいと思います。
ここでいう母数とは、レセ枚(来院してくださる患者さんの数)のことを指します。キャンセル率が優秀だと母数がどんどん増加していきます。新患・治療患者・メンテ患者。全てが積み上がっていくわけですから当然の動きです。

ところが、キャンセル率はある程度優秀なレベルなのに、母数が積み上がっていかないケースが存在します。みなさんのクリニックでも感じたことがあるかもしれません。何故そういった現象が起こるのか考察してみたいと思います。

1、治療箇所が変わる際に次の予約を取ってない患者がいる
2、次のメンテのアポを取らずに後で連絡するという患者がいる
3、予定がわからないという事で、アポを取ってない患者がいる

ざっと考えると上記のようなパターンが考えられます。

1については、治療に対する満足度が低いと推測することが出来ます。複数治療箇所があったとしても、この医院では治療を受けたくない!という何かしらの要因があり、次回予約を取得しない。

2については、メンテに対する満足度が低いと推測することが出来ます。よくあるのは、メンテ2回目/3回目です。適切な説明や状況のご説明をおろそかにすることで、患者側がメンテを受ける必要性を感じないことによる拒否反応です。

3については、1,2から起こる行動となりますが、予定がわからないという当たり障りのない断り文句を使用し、この医院には通いたくないという拒否反応を起こしている可能性があります。 ※勿論、全ての方がそういうことではなく、中には、実際に未来の予定がわからないために後から予約という行動をする方もいらっしゃいます。ある意味では、医院側を考えて穴をあけれないという責任感がある方とも言えます。

キャンセルが少ない医院の特徴で挙げた、
4.キャンセルポリシーの強化により率を下げる策を取っている
については、現在多くの医院で積極的に行なっている施策ではないかと思います。

◯無断キャンセルを2回行なった患者さんは予約を受け付けない。
◯TELキャンセルも含めて3回行なった患者さんは予約を受け付けない。

上記の施策により、アポイントにルーズな患者さんを排除することが可能になります。医療提供の観点では賛否両論ありますが、医院経営という観点では、そういった約束を反故にする患者さんに対して時間を割くことは大きなマイナスを生じるわけなので、仕方のない対応ではないかと思います。

キャンセル率を下げることは医院経営をしていく上で非常に重要なテーマです。予約をした患者さんには100%来院して頂きたいというのが、全医院共通で思うところかと思います。ところが、キャンセル率だけに捉われていると、予約を取っていかなかった患者さんの動向が漏れてしまいます。予約を取らずに帰られた患者さんへ目が向かず、結果、離脱となってしまうわけです。

キャンセル率と同じく重要な指標として、予約取得率があります。
次回アポを取った患者が何%で、取らなかった患者が何%いるか。治療中で次回予約を取っていなければ、メンテへ入る患者を一人逃すことになりますし、メンテ中で次回予約を取っていなければ、定着患者を一人逃すこととなります。

患者さん一人を離脱させるということは、長い目でみると非常に大きな損失なります。

では、どうやって離脱を防ぐか?
1、適切な治療のご提供
2、感じの良い応対(スタッフ全員)
3、現状とゴールの共有
4、説明と会話

これらが全て出来て初めて、真の信頼関係が構築され、患者満足度が得られるものだと思います。人は、重要なものに関しては最優先で時間を確保しますし、そうでないものには積極的に時間を割くことはありません。キャンセルと同等で、あるいは、更に気にかけなくてはいけないのが、予約取得率と言ってもいいのではないでしょうか?

患者さんにとって、自院での治療/メンテが必要不可欠なものとして腹に落ちているか。
それが実現出来ていれば、キャンセルは減少しますし、予約取得率も高い数値になるものです。

キャンセル率は悪くないのに、母数(レセ枚)が積み上がらない原因は、予約取得率にあり。
該当するようであれば、今一度、自院のキャンセル率・予約取得率(治療/メンテ)レセ枚の増加率を確認し、改善点を探ってみてはいかがでしょうか?


「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。

歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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