コラムColumn

2025.11.30開業支援

融資を受けれれば勝ち? #元金返済まで考えたプランでなければ、詰みます...【後編】

先月のコラムの後編として、今回も書いていきたいと思います。
前回は、数値的な例を出しながら様々な角度から考察していきました。今の次代の開業は簡単ではないということと、先生の腕や資質により、開業が成功するか否か決まってくる部分が大きいということがお判り頂けたかと思います。今までのコラムで書いてきた内容と重複する部分もありますが、非常に大事なことなので、今回の後編で改めてお話しできればと思います。

〜頭・心臓・腕〜
開業成功において大事なことは、シンプルにこの3つだと思っています。

1、頭
ご自身である程度事業内容について組み立てることができる能力
今までの経験上、1日何人まで見ることができるか頭の中で計算(俯瞰)出来るか
医院の仕組みを頭の中でイメージでき、それをスタッフさんへ落としこむ能力があるか

2、心臓
これは、ハート!愛のことです。
クサい言葉になりますが、ここ一番大事!スタッフさんに感謝を持って接することが出来るか
労働集約型事業なので、チームとして機能するために一番大事なことは、先生の傘にスタッフさんが入るかどうかです。

3、腕
歯科医院は技術ありきの医療提供事業です。
今まで自己研鑽してきた上で、患者さんに適切な歯科治療を提供できるレベルにあるか
予防歯科を売りにして、ごまかしの歯科治療しかできない歯科医師では医院は長くは続きません。

腕で勘違いするケースとして多いのは、勤務医時代に自分はかなりの数回せていました!という先生が、いざ開業したら、その半分も回せないというケースです。理由として多いのは、勤務先のスタッフレベルが高く、言われた治療をやれば良かったということ。治療計画が出来ていて、今日やるべき治療はスタッフから言われ、その通りに治療を行い、あとは任せて次のユニットに向かう。このやり方であれば、それは数は見れますね... しかし、開業後はそうはいきません。ご自身で全て作り上げる必要があることを忘れてはいけません。

診査診断、カルテ、治療、戦略、教育...
全て、開業医として1から作り上げていかなければなりません。勤務医時代は、周りに助けられていたんだなと開業後に思う先生が多いのもうなづけますね。


上記1.2.3において全く問題のない先生は、基本的に成功します。成功の定義は売上ではありません。事業として成り立つ粗利を確保でき、スタッフさんにしっかりと還元ができ、ご自身の取り分も増やし、さらにモチベーションも上げていくことができる。また、患者さんには自身を持って歯科治療を提供することができ、根拠に沿った治療をすることができる。

こういう先生は、銀行融資で2億借りても問題ありません。借り過ぎには注意が必要ですが、元金返済やご自身の取り分、スタッフへの還元、治療スピード、治療コンテンツなどから、計算がしっかり出来る資質があることで、着実に事業を良い方向に向かせることができると思います。

マズイのは、この資質のうち1つでも欠けている先生です。
ありがちですが、とにかく売上市場主義となり、スタッフにとにかく働かせる。その時の指示出しも抽象的でスタッフ側は理解できないままに日々の作業をこなす。お互いに解像度が低い状態で歯科治療提供を行なっているので、生産性は上がらずに、更に蟻地獄に落ちるかのように、トンチンカンな指示により困惑する。そして、精神的なストレスにより、先生の傘には絶対に入らずに、反乱軍となり、医院環境は最悪となる。

自分に腕がないためにメンテに頼る形になりますが、治療の段階で離脱してしまい、武器として持っているメンテまで辿り着かない...
患者さんファーストを掲げ、患者さんには良い顔をするが、大事な仲間であるスタッフには高圧的な態度を取る...
売上(粗利)が伸びて欲しいと考えたときに、スタッフへ還元したい!という頭がそもそもない....

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これがなかなか伸びない医院の特徴です。

お金にルーズな先生も、開業は慎重に検討(または断念)して頂きたいと思います。
今までの経験上、お金に慎重な先生は安定した経営を行いつつ、スタッフへの還元や設備投資を行い、適切な規模に拡大できるケースが多いです。逆に、お金に無頓着な先生は、ちょっと自費が出たぐらいで一喜一憂し、その利益を個人として使ってしまう。本来であれば、クリニックの資金として取っておくべきキャッシュを、個人として使ってしまう。

同じように、経営がうまくいく先生は過度な節税には興味を持ちません。利益が少ない先生ほど、節税に大きく舵を切る傾向があります。ちょっとしか利益がないのに、節税をして何か得るものがあるでしょうか? 税金額は減りますが、手元キャッシュも当たり前に減るわけで、一番大事な現金預金がいつまでも増加していかない状態が続くことになります。仮に、そこにコロナのようなイレギュラーなことが起こったらどうなるでしょうか?

一気に詰む...

ということになりますね。

また、試算表ベースで物事を考えて、机上の黒字を鵜呑みにしている先生も多く見受けます。試算表の黒赤とキャッシュベースの黒赤を理解しなければなりません。
特に融資を受けた分の元金返済は、利益から返済します。試算表には元金返済額は記載がないので、無頓着で無知な先生は、元金返済がすでに終わった後の利益と思っている方もいるようです。こうなると、経営者としては完全に失格で、事業を継続していくことはほぼ無理と言えるのではないでしょうか?

元金返済の話とは多少ずれましたが、今からの開業は成功するか失敗するかの2択です。
ご自身が不足している部分は、早急に補う、または改善すること!その上で2億の融資を受けて着実に積み上げていき、融資を頂いた銀行さんには決して迷惑をかけないこと。お金を借りれればゴールではありません。借りた融資をしっかり返済していくことを大前提として、事業として成り立つかしっかり考えて頂き、前に進んで欲しいと思います。

「頭・心臓・腕」
先生の資質は大丈夫ですか?

2025.11.30
【前編】はこちら



「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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